人身事故に切り替えると、加害者を被疑者とする刑事手続がスタートします。
あなたが加害者に刑事処分が下されることを望む場合は、人身事故扱いに切り替えましょう。
今の段階では加害者に刑事処分が下されることを望んでいない場合でも、人身事故扱いに切り替えておくことをおすすめします。
軽いように見えたケガが実は大きなケガであることが後に判明したり、加害者や加害者側保険会社が被害者の心情を踏みにじる言動を繰り返したりすることで、被害者の気持ちが変わり、加害者に刑事処分が下されることを強く望むようになることは少なくありません。
人身事故に切り替えた後、「加害者をもう許してあげてもいい」と思えたなら、その時点で、警察にその旨伝えればいいのです。
人身事故扱いにするかどうかは、賠償金の額にも影響します。
人身事故扱いの場合、警察は事故状況を詳しく調査して、実況見分調書などの刑事記録を作成します。
実況見分調書は、警察が事故現場に赴いて事故の状況を詳しく調査するので、たいへん貴重な証拠となります。
これに対し、物件事故扱いの場合、警察は物件事故報告書を作成します。
物件事故報告書の内容はとてもシンプルなので、事故状況を詳しく立証することができません。
このように、人身事故扱いにしておかないと、警察は事故状況について詳しい証拠を作ってくれません。
ですので、過失割合が問題となりそうな場合はもちろん、事故によって体に加わった衝撃の大きさなどを立証するため、人身事故扱いにしておくことをお勧めします。